11月11日。それは「ポッキーの日」と呼ばれる、ちょっと甘くて、少しだけ懐かしい響きのする日です。
あなたが最後にポッキーを手に取ったのは、いつだったでしょう。
友だちと分け合った放課後。CMの中で踊っていた、あの笑顔。
それとも、ふと見つけた限定パッケージに惹かれて買った冬の夜だったでしょうか。
この記念日は、「1」の形が並ぶ数字が、スティック型のお菓子に見えたことから始まった小さな遊び心から生まれました。
けれど、ポッキーの日が特別になった理由は、数字の形だけではないのかもしれません。
わたしたちが覚えているのは、「誰かと分け合ったこと」や、「ちょっとした気持ちの交差点」。
この記事では、「ポッキーの日ってなんだろう?」という問いからはじめて、
ポッキーの歴史、懐かしいCM、そして今のフレーバーまで、
ゆっくり、ひとつずつ、味わうように辿ってみようと思います。
……お茶でも淹れて、ちょっと一息しませんか?
目次
なぜ「11月11日」?数字がつなぐ遊び心

コモチ(Komochi)
すっと伸びた、細い線が4本。
1が並ぶその姿を見て、「あ、ポッキーみたいだね」と思った人がいたことが、すべてのはじまりです。
ポッキーの日、つまり11月11日は、1999年に江崎グリコによって「ポッキー&プリッツの日」として記念日登録されました。
4本の「1」が並ぶ日付が、まるでポッキーやプリッツの形に見える、そんなシンプルな連想から生まれたお菓子の記念日です。
語呂合わせや数字遊びは、古くから日本人の感性に根ざした文化のひとつ。
「いい夫婦の日(11月22日)」や「猫の日(2月22日)」のように、リズムや形から意味を感じ取るのは、日本らしい美意識のひとつでもあります。
ポッキーの日も、まさにそんな感覚の延長線上にある存在。
でも、ただの語呂遊びにとどまらず、SNSやテレビCMを通じて、少しずつ文化へと育っていきました。
ギネスにも載った「ポッキーの日」?
2012年には「ポッキー&プリッツの日」のSNS投稿が爆発的に拡散し、Twitterでのツイート数が1日で45万件を突破。
その結果、「24時間内に最もツイートされたブランド名」として、ギネス世界記録にまで登録されました。
こうしてポッキーの日は、「みんなが一緒に参加できるイベント」としての側面も持つようになったのです。
大げさな準備はいらない。ただ、コンビニでポッキーを買って、写真を撮って、誰かとちょっと共有するだけ。
それだけで、11月11日はちょっとだけあたたかくなれる。

コモチ(Komochi)
1が4つ並ぶ日。
それは、ちょっとした幸せを分け合うために、ぴったりの形をしていたのかもしれません。
あの頃、テレビで踊ってた。新垣結衣とシェアハピの記憶

コモチ(Komochi)
……テレビの中で、ポッキーを片手にくるりと踊る赤いトップスや制服姿。
あの頃、わたしたちは「ガッキー」に恋して、ポッキーに憧れていました。
2006年、江崎グリコのポッキーCMに新垣結衣さんが登場したとき、画面には「懐かしさ」と「新しさ」が、どちらも映っていました。
彼女が踊る「ポッキーダンス」。
リズムに合わせて体を動かしながら、手にはポッキー。
屈託のない笑顔と、あの柔らかな髪、ミニスカート。
平成の中盤、テレビの向こう側にいたガッキーは、ポッキーの象徴そのものでした。
その時代の若者にとって、彼女は可愛さでもあり、清潔さでもあり、みんなで笑う時間の代名詞でもあったのです。
ORANGE RANGEの『DANCE2 feat. ソイソース』って曲、聞くとポッキーを思い出します。
「踊るポッキーCM」はなぜ記憶に残ったのか
いきものがかりの『じょいふる』に合わせて踊る忽那汐里さんのCM(2009年)もまた、強烈な印象を残しました。
テンポの良さ。色彩の鮮やかさ。そして、なによりも「楽しそうに踊る人たち」。
ポッキーのCMは、ただ商品の魅力を伝えるだけではなく、「楽しむ姿そのもの」に焦点を当てていました。
それはつまり、自分もその中に入りたいという欲求を自然に引き出す演出だったのです。
「シェアハピ」という言葉が生まれた場所
CMの中で繰り返されるキャッチコピー。
「Share happiness!(シェアハピ)」。
これは単なるスローガンではありません。
ポッキーというお菓子の性質「誰かと分け合える」「細くて、軽くて、手渡しやすい」を、そのまま言葉にしたものでした。
三代目 J Soul BrothersのØMI(登坂広臣)さんと岩田剛典さん、小林直己さんの3人がスマートに少しシュールに、ダンスしていました。
ポッキーは、黙って差し出すだけで会話になる。
持っているだけで輪の中に入れる。
だから「シェアハピ」は、共感や連帯を求める平成の空気感と、とても相性が良かったのです。

コモチ(Komochi)
CMで誰かが笑っているとき、
わたしたちの中にも、笑顔の種がひとつ残る。
ポッキーのCMは、それを何度も届けてくれました。
1966年、一本の革命──ポッキーのはじまり
……最初のポッキーは、ただ静かに、でも確かに、食べ方を変えました。
1966年──昭和の終わりに向かう日本で、江崎グリコは「手を汚さずに食べられるチョコレート」を目指して、ある発明に辿り着きます。
それが、ビスケットの棒にチョコレートをコーティングし、片端だけを持てるように仕上げたスティック型スナック。
それは当時のどのお菓子にもなかった形であり、まさにお菓子の常識を変える小さな革命でした。
名前の由来は「ポキッ」という音から
このスティック菓子には、最初「チョコテック(Chocotek)」という仮称もあったそうです。
けれど最終的に選ばれた名前は「ポッキー」。
それは、噛んだときの「ポキッ」という音からきています。
この擬音にブランド名を宿すという発想も、また日本らしい美意識の表れかもしれません。
名前だけで音を、味を、そして軽やかさを思い出せる
そんなお菓子は、当時も今も、ほとんどありません。
「手を汚さない」という文化的価値
片側にだけチョコレートをかけ、持つ部分はあえてそのまま。
これはただの実用性ではなく、「お菓子に品を添える」配慮でした。
食べる所作を美しくすること。
おしゃべりしながら、勉強しながら、会話の邪魔にならない存在であること。
そんな細やかな気遣いが、ポッキーという形には込められているのです。

コモチ(Komochi)
「美味しさ」だけじゃない、「持ち方」や「音」までもが設計された一本。
1966年に生まれたその小さなスティックは、時代を超えて、誰かとの距離を変えていきました。
世界で愛される「ポキッ」バリエーションの広がり
……ひと口の軽さが、国を越えて旅をしました。
ポッキーは、日本だけのお菓子ではなくなっていきます。
1966年に誕生したポッキーは、その独自のかたちと食べやすさを武器に、あっという間に日本中で人気を集めました。
そしてその勢いは、やがて国境を越えていきます。
世界名:Pocky、そして Mikado
日本国内では「ポッキー」として親しまれていますが、ヨーロッパなど一部の国では Mikado(ミカド)という名前で展開されているのをご存知でしょうか。
「ミカド=日本の象徴」というイメージが込められた、海外における和の演出でもあります。
欧州ではチョコやヘーゼルナッツ、キャラメル味などが人気で、「日本生まれのプレミアムおやつ」として、ギフトやパーティ用途でも定着しています。
アジアでは国民的おやつに
中国、タイ、インドネシア、フィリピン、韓国など、アジア諸国においてもPockyは親しまれており、それぞれの国の文化や嗜好に合わせた味やパッケージ展開がされています。
中には宗教や気候に配慮して成分を調整した商品も。
この柔軟さが、グローバルブランドとしてのポッキーの強さです。
そして、ギネスにも
2012年11月11日。
Twitterでの投稿数が「ポッキー」というワードを中心に45万件を突破し、24時間で最もツイートされたブランド名としてギネス世界記録に認定されました。
それは単なる数字ではなく、「ポッキーがみんなの記憶と日常にある」という証でした。

コモチ(Komochi)
一本のスティックが国を越え、言葉を超えて、
おいしいという感情だけを残していく。
それは、どんな言葉よりも強い共感かもしれません。
今どきポッキーはここまで来た。話題フレーバーを味わう
どれにしようか迷う時間さえ、
小さなご褒美のように感じるのは、きっとポッキーだからです。
季節、色合い、香り、手触り。
今のポッキーは、ただ味が違うだけじゃなく、「どんな気持ちのときに、どれを食べるか」まで選べるようになってきました。
ひとつずつ、記憶をくすぐるような4種を紹介させてください。
さくら抹茶ポッキー
春をひとくち、手のひらに。
淡い桜色とやわらかな抹茶の緑が交わるポッキーは、見た目にも、心にも優しくて、
思わず、「誰かにあげたくなる」そんな雰囲気をまとっています。
抹茶の深みに、桜のほのかな香りがふっと重なるその味は、和菓子に近い静けささえ帯びていて、
午後のやわらかい日差しや、お花見のおともにもぴったり。

コモチ(Komochi)
やさしい春の気配を、舌先と心に届けてくれる一本です。
ジャイアントポッキー
大きさは、遊び心の証。
見た瞬間、思わず「わっ」と笑ってしまう。
通常のポッキーの約2倍以上の長さと太さを持つこのジャイアントポッキーは、食べることそのものがイベントになるスティック。
家族や友だちと分け合ったり、誕生日や記念日など、ちょっと特別な日に登場させるだけで空気が華やぎます。

コモチ(Komochi)
手に持ったときの存在感までもが、記憶に残るおやつの花束のような一本です。
バニラ香るホワイトポッキー
静けさに、やさしい甘さを添えて。
ホワイトチョコの中でも、これは少しだけ特別。
ふんわりと漂うバニラの香りが、あたたかいミルクや紅茶と重なって、
まるで冬の読書時間にそっと寄り添ってくれるような味わい。
口どけがやわらかく、気持ちまで丸くしてくれるようなこのポッキーは、
「今日はちょっと疲れたかも……」という日のほうが、しっくりくるかもしれません。

コモチ(Komochi)
やさしさを味で受け取るって、こういうことかもしれません。
冬のくちどけポッキー
ふれるだけで、溶けてしまいそうな感触。
冬季限定として登場するこのフレーバーは、
「くちどけ」をテーマに、チョコレートの密度や甘さを丁寧に調整されています。
なめらかで、少しリッチで、だけど重たくない。
ココアの深みと、粉雪のような粉仕上げが、
視覚でも触感でも冬の静けさを描いています。

コモチ(Komochi)
甘さに包まれたい夜に、そっとひと口。
……静かな温度が、心にひとすじ残ります。
今日の気分に、どのポッキーを選びましょうか。
誰かと食べたいという気持ちが少しでも湧いたら、
それはもう、ポッキーの日が近いのかもしれません。
ギフトにもシェアにも。ポッキーのちょうどよさ
……たくさんじゃなくていい。
でも、ほんの少しじゃ足りない。
ポッキーは、ちょうどいい。
チョコレートにしては、軽やか。
ビスケットにしては、上品。
そして、シェアするには、ちょうどいい長さと、ちょうどいい甘さ。
誰かに渡すとき、ポッキーほど自然に受け取ってもらえるお菓子は、意外と少ないのかもしれません。
個包装という、安心とやさしさ
たとえば職場やサークルで配るときも、
たとえば大切な人と半分こしたいときも。
今のポッキーは個包装タイプが増えていて、
「渡しやすい」「持ち運びやすい」「残しても平気」なスタイルになっています。
甘すぎず、重すぎず、でも確かに嬉しい。
それが、おすそ分けのお菓子として選ばれる理由。
ギフトとしてのポッキー
華やかな限定フレーバーや、大容量パック、
さらに最近では「トート付き食べ比べセット」など、
ギフトとしてのラインアップも増えてきました。
高価すぎず、気持ちはしっかり伝わる
この価格帯とサイズ感が、「ちょっと贈りたい」気持ちと重なるのです。

コモチ(Komochi)
包装を開けたとき、ポッキーが1本。
それだけで、なんだか「もらった感じ」がする。
……そんなお菓子、意外とほかにはありません。
まとめ。あなたの11月11日には、誰がいる?
……思い出すのは、味じゃなくて、顔。
ポッキーを食べた日の記憶には、いつも誰かがいました。
友だちとふざけながらポッキーゲームをした放課後。
好きな人からそっと手渡された、季節限定の一本。
テレビの中で笑っていた、新垣結衣さんのまなざし。
SNSに「ポッキーの日だね」って投稿し合った、あの夜の空気。
ポッキーというお菓子は、不思議なことに、
ひとりで食べた記憶よりも、誰かといた記憶のほうが、濃く残っている気がするのです。
ポッキーの日は、分け合うきっかけ
11月11日──「1」が4本並ぶだけの、ただの数字。
けれど、その日にポッキーを買ってみること。
そして、誰かとちょっと話すきっかけにしてみること。
それだけで、日常はすこしだけ特別になるかもしれません。

コモチ(Komochi)
甘すぎない、軽すぎない、
ちょうどいい甘さと長さで、
今日という日が、
誰かの記憶の中に残っていきますように。
🛒最後に少しだけ:気になるポッキーを探してみませんか?
季節限定のあの味も、
SNSで見かけた大きなサイズも、
ふと思い出した、あの頃の味も。
今なら、どれもすぐ手に入ります。
↓ いま人気のポッキーはこちらからどうぞ。









