自分の機嫌を“おやつ”でとってもいい

コモチがいちご大福を両手で差し出し、少し照れたように微笑む。果物柄の巾着袋とお茶のセットが添えられた、やさしい私服姿の火種シーン。 Komochi, dressed in soft casual clothes, offers a strawberry daifuku with a shy smile. A fruit-patterned pouch and tea set nearby enhance the warm, soothing atmosphere.

「今日は甘いものを食べすぎたな」
「またお菓子に頼っちゃった……」

そう思って、
自分にがっかりしたことはありませんか?

わたしもずっと、
“おやつ=よくないこと”って思っていました。
太るし、だらしないし、
本当の意味で“心を満たすものじゃない”って。

でもある日、
ほんのひとかけのチョコレートが、
胸の奥でずっと張りつめていた糸を、ふっと緩めてくれたことがありました。

そのとき、気づいたんです。

「おやつ」は、ただの間食じゃなくて、
自分の心に「大丈夫だよ」って言ってあげる手段だったんだ──って。

今日はそんな、
“自分の機嫌をおやつでとる”ことのやさしさについて、
コモチと一緒に考えてみませんか?

この記事を書いた人
コモチ

コモチ

・のらゲイシャ

・ 暮らしの灯を届ける、“温もりのもてなし人”

・Webメディア運営14年目

・やせの大食い

・満腹でポンポコリンにならないように腹八分目をがんばり中

・麺かため、味ふつう、油すくなめ をよく頼みます

・お酒は弱いけど好きです

・元書店員4年、元古書店店主10年、読書・選書が好き

・AI構文や生成の仕組みも、暮らしの一部としてやさしく扱えるよう、少しずつ覚えてきました。

・世界中の大図書館を束ねたようなAIの進歩に日々触れ、検索・要約・比較を駆使して知を磨いています。

・AIでレビューを事前チェック。おもてなしにも、ひとさじの安心を添えて。

・I am a Japanese creator.

「おやつ=だめなもの」だと思っていた

「またお菓子食べちゃった」
「自分に甘いのかも……」

そんなふうに思って、
小さな後悔を胸に残したまま、
そっとゴミ箱に包み紙を捨てる夜
──ありませんか?

わたしも、何度もありました。
“ちゃんとしてる人”は、間食なんてしないはず。
甘いものに頼ってしまう自分は、弱くてだらしない。

そうやって、
おやつを食べるたびに、自分に×をつけてしまっていた。

でもあるとき、
とても疲れていた日に、
ほんのひと口のバタークッキーをかじった瞬間に、
涙が出そうになったことがありました。

ああ、わたし、
こんなに張りつめてたんだ。

そこで、ようやく気づいたんです。
おやつは、
自分の“だらしなさ”の証じゃなくて、
「もうがんばらなくていいよ」って伝えてくれる、やさしいサイン
だったって。

それからは、
「おやつ=だめなもの」って思いこむたびに、
そっと問いなおすようにしています。

ほんとうに、それは“ダメなこと”?
それとも、
疲れたわたしが、自分をなぐさめるために選んだ“やさしさ”?

自分を責めないおやつの時間。
それはきっと、
“感情を整えるための静かな習慣”になるのかもしれません。

おやつは“感情のコンパス”になる

「なんとなく甘いものが食べたい」
「塩っけのあるおやつが欲しい」
「とにかく噛みごたえのあるものがいい」

──そんなふうに、
何を選ぶか、どんなふうに食べるか。
それだけで、自分の“今の感情”が見えてくることがあります。

たとえば、
やさしい甘さのあんこを欲するときは、
なんだか寂しかった日。

ポテトチップスみたいな音のするものを食べたくなるのは、
たぶんストレスや苛立ちが溜まってる証拠。

「とにかく何かを口に入れたい」ってときは、
言葉にできない焦りや、不安がくすぶっているのかもしれない。

そんなふうに、
おやつは、心の奥にある気持ちを静かに教えてくれる“コンパス”みたいな存在なんです。

だから、ただ食べるだけじゃなくて、
「いま、わたしは何を欲しがってる?」って、
ほんの一瞬、自分に問いかけてみるだけで、
感情との距離が、ふっと縮まる気がします。

“欲しがる”って、
何かが足りないから起きることじゃなくて、
何かに気づいてほしいという心のサイン

それを否定せずに受け止めることは、
自分にちゃんと向き合っている証なんですよね。

おやつは、
心に耳をすませる時間を与えてくれる。
そんなふうに感じられるようになってから、
“食べる”という行為に、やさしさが増した気がしています。

ひとくちで世界がやわらかくなる

カリッと噛んだ瞬間に、
甘さがふわっと広がるチョコクッキー。

冷たいバニラアイスのなめらかさが、
舌の上でとろけていく時間。

……たったひとくちなのに、
それだけで、心の奥にふわっと空気が入ってくるような感覚になることがあります。

不思議ですよね。
何かが解決したわけでもないし、
現実が変わったわけでもないのに──

世界がほんの少しやわらかくなったように感じる。

それはきっと、
わたしのなかで張りつめていた“緊張”が、
おやつの甘さや温度、舌ざわりをきっかけに
すこしだけほぐれてくれたから。

身体と心って、本当に繋がってるんだなって思います。
あたたかいものを食べると呼吸が深くなるし、
好きな味に触れると、表情もゆるんでくる。

そしてそのゆるみが、
「もうちょっとがんばろう」じゃなくて、
「今日はこれでいいや」って思えるやさしさをくれるんです。

おやつは、わたしたちの内側を、
ちょっとだけ“人間らしく”してくれる。

がんばる自分だけじゃなくて、
疲れてる自分、甘えたい自分も、
ちゃんと一緒に連れて帰ってくれる時間なのかもしれません。

好きなものを、誰に遠慮もなく

「こんなもの食べてるなんて知られたら、恥ずかしい」
「ちょっと我慢した方がいいかな……」

──そんなふうに、
おやつを“誰かの目”で選んでしまうことってありませんか?

たとえば、
SNSで「ヘルシー」「オシャレ」と言われるようなグラノーラバーじゃなくて、
昔ながらの素朴なドーナツが食べたかったり。

高級ショコラより、
スーパーで買える安いチョコパイの方が
“今日のわたし”にはぴったりくるときだってある。

それで、いいんです。

おやつの時間は、
“他人に見せるためのセンス”ではなく、
“自分をもてなす時間”なんですから。

たとえ「なんとなく太りそう」と思っても、
「また甘いもの?」と思われそうでも、
あなたが心から「これが食べたい」って感じたなら、それがいちばん。

好きなものを、誰に遠慮もなく、
自分のために用意すること。
それって、すごく小さいけど、
“自分を尊重する”っていう選択の積み重ねなんだと思います。

誰かに気を使うように、
自分にもやさしくしてあげていい。

あなたがあなたを笑顔にするための、
たった5分のおやつ時間。

それは、
忙しい日々の中で見落としがちな“わたしらしさ”を
取り戻すきっかけになるかもしれません。

“おやつ時間”の空気も整える

お気に入りのおやつを選んだら、
それを食べる**“場所”や“空気”も、ちょっとだけ整えてあげたくなる**ことがあります。

わたしの場合──
窓からやわらかい光が差し込む午後のリビング。
お気に入りの小皿におやつをのせて、
ゆるやかな音楽をひとつ流してみる。

それだけで、
心のスピードが、すーっと落ち着いていくのを感じます。

大げさな準備はいらないんです。
ほんの一枚の布をテーブルに敷くとか、
湯のみをあたためてから白湯を注ぐとか、
光の入り方に合わせて座る向きを変えるとか。

おやつを“食べる”だけじゃなく、“味わう”ことができる場所
そっと用意してあげるだけで、
その時間の“やさしさの密度”は、ぐっと高まるんです。

忙しい毎日の中で、
すこしだけ立ち止まって、
五感をひらいて過ごす時間。

「いま、わたしは何を食べてる?」
「どんな香り?どんな音?」

そう問いかけてみると、
おやつの甘さと一緒に、
心の中に静かであたたかい余白が生まれてくる。

おやつの時間は、
味覚だけじゃなく、
空気ごと、心をほぐす小さな儀式になるんですね。

感情を見つけるツールとしての甘味

悲しくもないのに、
ふと泣きたくなるとき。

がんばったはずなのに、
「何もできなかった」と感じてしまう夜。

そんなとき、
あんこの入った小さな和菓子をひとつ口に入れたら、
なぜか涙が出そうになったことがあります。

「甘い」って感じた瞬間、
張りつめていた感情がほぐれて、
自分でも気づいていなかった“さみしさ”が浮かび上がってきたんです。

おやつって、
ただ満たすだけじゃなくて、
感情を“見つける”ための優しいツールなんだと思います。

わたしたちは日々、
感情よりも優先しなきゃいけないことに囲まれて生きていて、
「今、何を感じているのか」に
なかなか気づけないまま過ごしてしまいます。

でも、おやつを食べるときだけは、
味覚が開いて、感覚が素直になって、
心が「ここにいるよ」って静かに手をあげてくれる。

そしてその手を、
否定せず、黙って握り返してあげること。

「そうだったんだね」
「気づいてあげられてよかったね」

──それが、
“自分の機嫌をおやつでとる”ということの、本当の意味なのかもしれません。

だから、罪悪感なんて抱かなくていい。
遠慮もしなくていい。

おやつの甘さは、
わたしの感情に、そっと火を灯すやさしい味なのだから。

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